スペクトラムセンサと高速サーモビジョン のバックアップ(No.2)


研究プロジェクト

スペクトラムセンサと高速サーモビジョン

  • スペクトラムセンサの実証実験
  • 実際の自然界の映像は、光のスペクトラムの空間分布によって構成されていますが、私たち人間は、RGBの波長の強さを取り出し、色として知覚しています。よりリアルな色を再現するためには、スペクトラムの空間分布の情報が必要です。また、化学物質の分析、食材の品質管理、環境汚染の計測、発光素子の評価、遠隔温度計測など多くの場面で、スペクトラムが利用されていますが、スペクトラムの測定をするためには、回折格子、光共振器などの精密機械部品が必要であり、半導体が苦手とする分野の一つです。色センサというものが市販されていますが、これは、RGBの光強度を測定するもので、スペクトルのうち3点のデータを出力しているので、スペクトラムの測定には使用できません。本研究プロジェクトでは、スペクトラムを2次元画像パターンに変換し、画像から元のスペクトルを推定する新方式の純電子式のスペクトルセンサLSIを開発します。スペクトルを2次元画像パターンに変換する技術は、まだ確立していませんが、理論的には、先端的LSIの微細配線加工技術を用いて実現することが可能であり、基本原理の特許を出願中です。このプロジェクトでは、スペクトラムセンサを試作し、動作検証を行います。これは、政府の支援により実施している研究テーマです。
  • 高速サーモビジョンへの応用
  • 物体は反射光の他に、温度に応じた赤外線発光をしています。これを利用して撮影した温度画像をサーモビジョンまたはサーモグラフィーと呼んでいます。一般に、サーモビジョンの測定は時間がかかるため、高速な映像を得ることは難しいのですが、スペクトラムセンサを利用すれば、高速にサーモビジョンを推定することが可能になると考えています。高速サーモビジョンは、機械工学での重要な応用があるため、機械工学類との共同研究として実施する予定です。この原理は、まだ公表していないため、興味のある人は、直接教員に聞いてください。