プラズマ発光センサ のバックアップの現在との差分(No.1)


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 [[u-ESR センサ]]
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 [[研究テーマ]]
 
 皆さんは、化学の実験で、炎色反応を調べたり溶液の色によって、イオンの種類や価数を調べたことがあると思います(知らないという人は、高校の未履修問題の対象者ということになりますね)。同様の処理をチップに組み込めば、物質を見分けることができるはずです。このテーマは、産業応用や化学分析での利用を想定して、高周波プラズマ発光分析システム全体を微小化してチップに載せてしまおうという計画です。
 
 マイクロESR(u-ESR)センサは、物質中の電子の磁石としての性質を利用して、フリーラジカルと呼ばれる化学反応性を持った分子やイオンの種類と量を検出できるセンサです。原理は、電子スピン共鳴(ESR)と呼ばれる従来からある測定原理を利用していますが、巨大な装置になってしまうため、チップ上に乗せられるように測定方式を工夫しました。具体的な方法は、特許申請中なので、ネット上では伏せておきます。
 実は、光のスペクトルを通常のチップ上で調べることは、今のところはできません。回折格子やフーリエ変換分光光度計という機械的システムを必要とするからです。MEMS(マイクロマシン)の技術が進めば、スペクトルをチップ上で測定することもできるかもしれませんが、現状では困難です。この問題を解決する方法が、本研究のテーマです。
 
 このセンサは、例えば注射器に取り付けて、細胞や血液中の生物質や、生体中の活性酸素、過酸化脂肪などを調べることができるため、薬品の効果や化学反応経路を追跡するための重要な技術です。マイクロESRセンサチップの実用化のために、無線通信システムでも使用されるFractional-N PLLや高精度位相検出器といった回路を開発する予定です。
 
 
 ※ 電子は、電荷と磁荷(正確には磁気能率)を持っています。