介護支援のためのボディエリア無線ネットワーク(BAN)の開発 のバックアップ差分(No.2)


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 [[環境モニタのためのチューリンガルサーバの構築]]
 [[介護支援のためのボディエリア無線ネットワーク(BAN)の開発]]
 
 [[研究プロジェクト]]
 
 BAN (Body Area Network) は、身体表面や、身体内部の超小型電子機器を接続するネットワークです。現在、国際標準化が策定されており、昨年ぐらいから非常にホットな研究開発分野となってきています。
 
 チューリンガル(虫リンガル)は、昆虫の鳴き声から種を判別する音声処理システムです。昆虫は、種毎に特徴的な鳴き声のパターンを持っていますが、環境や温度、地域によって周波数やメロディの速度が違っています。これまでの研究で、音声の特徴量を抽出し、データマイニングを利用して種の判別ができることがわかりました。
 身体表面のうち、衣服上に構築するのが、所謂ウエアラブルネットワークであり、秋田先生の導電性衣服を用いて電源系と信号系をひとまとめにした有線ネットワークの研究は、スマートな解のひとつだと思います。より身体に近い衣服の内部については、アドホック無線ネットワーク(近距離無線通信LSIが自律的に無線ネットワークを構成するシステム)が必要となりますし、人工網膜やカプセル型胃カメラなどの医用センサLSIについては、バッテリーレスでの体内無線伝送が必要なため、難易度の高い技術分野でしたが、近年のRF-CMOS(無線通信LSI)技術の進歩により、ようやく製品レベルのシステム構築が現実性を帯びてきました。
 
 近年、北陸地方の降雪が減っているためか、南方系の外来昆虫が北陸地区にどんどん侵入してきています。また、海外からの移民組も都市周辺でずいぶん幅を利かすようになり、在来種と勘違いしている人も多いと思います。昆虫の鳴き声の種による違いは専門家には簡単にわかるようですが、素人にはなかなかわかりません。医王山周辺に生息するエゾゼミとコエゾゼミも波形を比較しないとなかなかわかりません。秋に市街地の樹木で鳴いているのは大抵アオマツムシという北米からの外来種です。今では、秋の風物として日本に溶け込んでしまっていますが、外来生物は、その地域の自然界の循環の中に組み込まれていないため、環境破壊の大きな原因となる恐れがあります。こいうったものが、地域差も含めて自動分類できるようになればしめたものです。
 本研究プロジェクトでは、BANの構築を目指して開発された、ANT, ZigBee規格などの最先端のシステムLSIを利用し、認知症や怪我のため起き上がることができない患者さんやお年寄りのオムツ(排便、排尿)や健康状態を、ネットワーク上で管理できるシステムの構築を行います。高齢化社会に向けて地元企業、病院、政府機関と共同で行う社会的必要度の高い研究プロジェクトです。
 
 近年はICレコーダが安くなりました。日本中の昆虫の好きな小学生が音声を集めて、WEBページ上で分類を行い、データベースに登録、参照できるようにWikiサーバを立ち上げました。今年は、昆虫判定ソフトウエアのWeb実装とその音声データを使用して、鳴く昆虫の種類、発生時期、分布などの統計が自動的に取れるようにしていきたいと考えています。
 
 Chu-lingual サーバ:
 http://merl.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/chulingual/