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研究プロジェクト
- ReRAM (Resistance RAM)は、大容量、超高速の次世代不揮発性メモリです。不揮発性メモリとは、電源がなくても情報を記憶しておくことができるメモリです。USBメモリやICカード(お財布携帯や電子マネー)には必ず必要となる集積回路です。近年、大容量のSDカードにHD動画記録ができるようになってきました。PCもハードディスクが無くなり超軽量・高速なSSDが一般化し始めています。これらは、不揮発性メモリ技術の進歩の結果といえます。
- さらに、高速動作と大容量化、無限に近い書換え回数を目指して、新しい記録原理を利用した、新型メモリの開発が世界中で活発化しています(※1)。いまのところ、相変化メモリ(PRAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)、電界誘起抵抗変化メモリ(ReRAM)の3種類が次世代メモリの最有力候補となっています。
- MeRLでは、世界に先駆けて相変化不揮発性メモリ(PRAM)の集積化に取り組み、数々の特許技術を提案してきました。相変化メモリは、低コスト・大容量化が可能なメモリですが、書き換え速度が少し遅いという難点があります。このため、PCのハードディスクを置き換えることはできますが、DRAMやLSI内部のメモリを置き換えることができません。そこで、近年発見された、新しい高速不揮発性メモリReRAMを大手メーカと協力して開発してきました。
- しかし、ReRAMは、論理値'1'が記録されているところに再度'1'を書き込んだり、論理値'0'が記録されているところに再度'0'を書き込んだりすると、寿命が短くなってしまうという欠点があります。また、フラッシュメモリと同じぐらいビットコストを下げようとすると、多値記録(※2)方式にする必要があります。MeRLでは、これらに答えることのできる新回路の特許を出願していますが、まだ、理論的なアイデアなので、このLSIを試作実証する計画です。
- ※1 現在の不揮発性メモリの主流は、フラッシュメモリという方式ですが、ランダムアクセスではないこと、書換え動作が遅いこと、書換え可能回数が少ないこと、マイクロプロセッサなどを作るCMOSとは異なる製造法であることから応用が限定されています。それに対して、全システムの記憶機能を置き換えることができるReRAMなどの高性能不揮発性メモリは、新型不揮発性メモリ(Emerging Nonvolatile Memory)と呼ばれています。
- ※2 メモリの回路は、多量のメモリセル(記憶回路)のアレイ構造でできていて、DRAMやSRAMでは、1個のメモリセルに1bitのデータを記録しています。もし、1個のメモリセルに2bit以上のデータを記録できれば、容量を飛躍的に増やすことができ、フラッシュメモリは、多値記録方式を用いて大容量化されています。
大容量不揮発性メモリの高性能化によって推進される技術分野
MeRLで開発した世界初のCMOS混載相変化不揮発性メモリコア